この街で作った数々のメロディ
いつもならすぐに忘れられてしまうところであるが、不思議とこの街で生まれたメロディは家に着くまで覚えていた。
この薄暗い路地の向こうは歌舞伎座だ。
この通りで手グシで頭を整えYシャツの襟元を立てる。
それだけお洒落で小綺麗な方が多く、自然と背筋も伸びてしまう。
この通りの近くに時事通信社があり、ここの一階の喫茶店で曲を書いていたこともあった。窓ガラス越しから行き交う人の群れを眺めた。春も夏も秋も冬も朝も昼も夜も。
今では名曲となってしまった「命走る」のメロディが生まれたのもここだった。
今では自分で作ったのかと疑ってしまうほどの名曲「命走る」であるが、やはりあの曲は私にしか書けない。
「命走る」とにかく推していますが、ようは聴いてくれってことです。
よろしくお願いいたします。